土手と夫婦と幽霊 -The River bank,The Couple,The Ghosts-
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254.ずっと忘れてはいないことってある?

12/15/2021

 
『土手と夫婦と幽霊』は、自分の居場所を失くしてしまった「私」の物語でもあるので、記憶にまつわる台詞が多く出てきます。
今日のブログのタイトルになっている台詞を書いていた頃、また、映画が完成しこの台詞のあるシーンを見るたびに、私は私が昔から忘れてはいない記憶を探ってみるのです。台本を捲ると、実はこの台詞を「女」に二回言わせていました。わざわざ差し込みで二度目の台詞を書いていましたが、結局、二回目のそれはカットしました。
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私は記憶力が悪い方で、好きな映画のことも、一部始終覚えていることはなくて、一握りの出演者の名前や、好きな画を思い出せるくらいの記憶力なので、残念ながら自分の人生に関しても、記憶のストックが豊富にあるわけではありません。映画の話なんかすると、昔観た映画を本当に細部まで覚えている友人が何人かいますが、いつも羨ましく聞いています。
小学生の頃、手のひらの上で息を引き取ったセキセイインコのこと。酒癖の悪い父が酔っ払って階段から落ちて頭を割ったこと。学校サボって映画を観た帰りに食べた大船軒のコロッケ。何度か死にかけた新聞奨学生の雪の日の朝などなど、必ず思い出すものはあるけれど、ほとんどが、映画で言えば、1シーンの中の数カットに過ぎない。それでもずっと忘れてはいないことになるのだと思う。

最近で言えば、子どもが生まれた日のことや、子どもの泣き顔は本当に可愛くていつも思い出せる。これらは決して忘れたくない記憶だ。もしかして、ちょっとでもずっと忘れてはいないことがあるだけで、人は生きていけるのかもしれない。

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