ホームページには、『土手と夫婦と幽霊』公開の情報解禁時に、俳優さんたちから頂戴した作品コメントが掲載されています。皆さんの言葉は実に興味深く、じっくり読むと撮影風景が思い出されて、とても懐かしく感じます。 私の場合、監督として俳優さんに対して作品のことを改めて伺うことなんてまずしないので、ましてや撮影後随分と時間が経っていたので、俳優さんたちの言葉で当時のことや考えを知ることがことができて、とても新鮮でした。 星能さんが言及する「どうしてこの映画を作ろうとしたのか」は、私が作品を制作する度に毎回考えることです。うまいこと正解を導き出せないことが殆どなので、俳優さんたちがこうしてそれぞれの意味を見出してくれることに報われます。 カイマミさんが表現する「女」のイメージはとても独特ですが、私にはとてもしっくりきました。昨年の公開時の舞台挨拶では、現場で役作りに一番苦労していた彼女の言葉が、私に翼を与えてくれるような気がしました。関西の上映でも、彼女の言葉にきっと励まされるのでしょう。 「普通」とは、自分自身の価値観であって、一人でも増えればそれは「普通」でなくなるのでしょう。佐藤勇真さんの教えてくれた「普通」ではない本作の魅力を是非見届けてほしいと思います。 私のお気に入りシーンも、小林美萌さんと同じく食卓シーンにあります。もちろん他にもお気に入りのシーンはたくさんあります。けれど、食卓シーンを見れば、この作品がいかに俳優さんたちの力で成立しているかがわかると思います。
2022年、『土手と夫婦と幽霊』が公開される大阪「シネ・ヌーヴォ」をはじめとする関西の映画館へ、是非足を運んでいただけたら幸いです。 コメントの受け付けは終了しました。
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