脚本を書いていて私が一番悩むのは、登場人物の名前を付けることかもしれません。主人公から脇役まで何人も登場する時は、なかなか名前が決まらずさあ大変です。さて、『土手と夫婦と幽霊』は… 前回ブログで書いたように、無名性を大事にしたので、「高橋」というキャラクターは唯一の例外でしたが、撮影台本には代名詞ばかりで固有名前はほとんど出てきませんでした。 これは手抜きをしたわけではありません。映像に見えなくても、設定上、それぞれちゃんと立派な(笑)名前を持っていたし、経歴がありました。だから、脚本を書くにあたって、登場人物の名前を考えるという作業が無かったわけではありませんでした。 撮影稿を書き始めた頃、本作鑑賞後に文学小説を読んだ時のような独自の感動を覚えてくれたらいいなと思っていました。そのために映画表現の中で色々なことを試しましたが、「無名性」を優先したのもその一つだったと思います。(ちなみに、ただ今書いている短編映画の脚本でも、名付け親の責務に頭を悩ませているところです。)
もしよろしければ、監督インタビューもご覧いただき、作品を深掘りしていただければ幸いです。 コメントの受け付けは終了しました。
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