土手と夫婦と幽霊 -The River bank,The Couple,The Ghosts-
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428.寸々なるかな

8/26/2022

 
「徳田秋聲記念館」さんのブログ「寸々語」(8.22)において、先の『土手と夫婦と幽霊』の上映の様子をレポートしていただきました。いつもユーモアと知性を、特に、「文学」について知識を与えてくれる魅力あるブログです。感謝。
「寸々語(すんすんご)」とは、秋聲さんの随筆のタイトルで、「ちょっとした話」を意味しているのだそうです。
 
「寸寸」とは普通は「ずたずた」と読む。普通は読めない。けれど、「寸々に引き裂く」などと聞けば、比較的日常的な言葉。意味は、こまかく、きれぎれのさま。しかし、残念ながら私のスマホの文字変換には出てこない「ずたずた」です。
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ブログ「寸々語」は、基本的に記念館の情報を発信しています。史実や資料を披露しながら、同時に文学の魅力を語ってくれる。ユーモアのある文章はとても親しみやすく、日常に寄り添ってくれます。「すんすんご」と読ませるあたりに、このブログの面白さ、柔らかさを表現してしているような気がします。秋聲さんの小説は、タイトルがあまりよろしくないと言われたそうですが、これで少しは面目躍如でしょうか。
 
思えば、「映画」を作るには一度「ずたずた」にする必要があります。映画とはそもそも省略の芸術。時間の省略、情報の省略、構成の省略、立体平面の省略…見せないことで、映画はスマートに人の心に届くものになる。
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『土手と夫婦と幽霊』においても、全てを見せずに場面を繋げることに頭を悩ませました。「生活」を冷静な筆致で描く徳田秋聲さんもおそらくそこに頭を悩ませた部分があるかもしれないと考えてみる。

短い章仕立ての構成や短編小説の多い秋聲さんの場合、何を切り取ったか、なぜこの場面を選んだかで読んでいくとまた別の角度で楽しめたりする。同じような場面が続く生活を描くにおいては、台詞や配置がひとつ異なるだけで違った印象が生まれるのです。かえって違和感が生まれやすくなる。その違和感はそのまま魅力に繋がる。そういう作家でもあると思う。
 
毎日の魅力ある発信に、『土手と夫婦と幽霊』を仲間入りしていただき、本当に嬉しかったのです。ありがとうございました。

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