土手と夫婦と幽霊 -The River bank,The Couple,The Ghosts-
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63.アバン

6/12/2021

 
前回の「題字」の流れから、今日はアバンタイトルについて話します。
ここで言う「アバンタイトル」は、メインタイトル前の映像という広義の意味としています。テレビドラマやアニメになると、オープニング前の映像になるから、映画とは少し意味合いが異なってきます。

話を戻します。最近の映画の殆どは、このメインタイトルの前に掴みの映像を多用しているのではないでしょうか。これから始まる映画のジャンルを予見させたり、本編に関連する重要な歴史や背景を前もって知ってもらったりなど、使い方は色々です。

昔の小津映画のように冒頭にタイトルやクレジットを全部見せてから本編が始まるのは、あまり見られなくなりました。昔の映画になると、エンドクレジットも無くて、突然「終」とか「fin」と出て終わります。これはこれで潔くて私は好きなのですが…(ここで素朴な疑問。オープニングにもエンディングにもクレジットを入れた記念すべき最初の映画は何だろう?)
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あ、また話を戻します。そういうわけで、『どてふう』もアバンタイトルです。私が、作り手側から見て、アバンタイトルを好む理由は二つあります。

一つは、俳優さんをゆっくりとクレジットで紹介する時間が生まれるからです。やっぱり映画に出演してくれた俳優さんはみな愛おしい。だからなるべくなら顔写真入りで紹介したいくらいなんです。

もう一つは、「映画」を意識してもらえるからです。私は映画を作る時、その映画にのめり込んでもらうのも嬉しいけれど、途中途中で「映画」を感じてもらいたいと思っています。これは私の「映画」の観方にも通じるのですが、「映画」であることを意識することで、その映画の印象が残るからです。例えば、執拗な長回し、超ロングショット、突然のモノローグ、パートカラーなど、多くは意図的に演出した部分になると思いますが、アバンタイトルからのメインタイトルは、最初の意図的な演出です。「映画」への入り口なのです。

さあこれから「映画」を観るぞと思う。だから作り手にとってみれば気が抜けない仕事だし、観る側にとってみれば最初に感動するシーンです。私は、アンゲロプロスの映画を観ると、話しそっちのけで、よく「映画」を感じて感動してしまいます。でもそれでいいと思っています。映画なのですから。「映画」に感動すればいいんです。

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