昨日主演二人のコメントが解禁されました。そこで、今日は星能豊君のコメントを紐解いていきましょう。肝心のコメントはこちら。 〈「小説家を演じる」にあたり~(中略)~実際に小説があるということは新鮮でした。〉 『どてふう』の星能君の役どころは、小説家です。しかし、脚本の段階から、特に小説家らしいシーンは用意しませんでした。例えば、小説家を表現するとしたら、どんなシーンを思い浮かべるでしょう。原稿を執筆しているシーン、その手の業界人と一緒に居るシーン、サイン会をしているシーンなどなど。彼が小説家だと知らしめる画はいかようにも思いつきます。 けれど、本作においてシーンが飛ぶのはあまり好ましくない。そんなシーンは、きっと冗漫になると感じたのです。舞台を縛ることで、想像してもらう方が得策だと思いました。 その第一歩は、実際に彼が演じる小説家が執筆した小説を用意することです。それは、約4万字の小説『土手と夫婦と幽霊』の原稿です。そして、文庫サイズに製本をお願いしました。これは小道具にも使えます。これ以上言うと、ネタバレになってしまうので控えますが、主人公が小説家であることは、画で見せるのではなく、他の手段で知らしめることを考えたのです。自分の目指す映画のために。 ちなみに、ここに書ける彼の簡単な略歴です。 【多摩国立大学卒。小説家。平凡な日常生活における人生の機微を描いた「ひがひがし、にしへ」で澁澤文学新人賞受賞。他に「ぜぜくる夏」など。】 〈この作品は湖畔の映画祭で主演俳優賞をいただきました。自分の演技は正直、上手いと思ったことはありません〉
ここは、私だからこそツッコミを入れるべきでしょう。私の経験では、俳優さんの演技のアプローチには、何種類かあるように感じます。星能豊の演技は上手いか下手か・・・その前に、映画に出るからには愛される俳優であるべきだと私は思います。私は演技はできません。恥ずかしいからしたくもありません。笑。けれど、私が映画を作る時、俳優さんがいなければ何も始まりません。星能豊がいなければ、映画は完成しないのです。私は、私ができない「俳優」を尊敬しています。そういうことでよろしいでしょうか。今日はここまでにしておきましょう。つづく。 コメントの受け付けは終了しました。
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