土手と夫婦と幽霊 -The River bank,The Couple,The Ghosts-
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68.続々・主演コメントを深堀り

6/16/2021

 
さて、今回はヒロインのカイマミさんの掲載コメントを見ていきましょう。彼女のコメントはこちらからご覧になれます。
まず、ホンを読んだ時の感想をこう語ってくれています。

〈細いグニャグニャになった1本の針金を頭上から突き刺したかの様な心象〉

何とも彼女らしい魅力的な表現です。〈細いグニャグニャになった1本の針金〉と聞いて皆さんは何を思うでしょうか。なかなか頼りなく扱いに難しい線に見えます。直線であることが本来の姿ならば、元の姿に戻すことはかなり難しそうです。

後で聞いたところ、カイマミさんはそれを「悲しみや不安、恐怖といったところで、簡単には引き抜くことはできない」と説明してくれました。
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続いて、前文にこうありました。

〈「特定の人物」ではなく、1 人の「女」。深い悲しみを持つ、1 人の「女」というイメージ〉

私は彼女が演じる役どころのの履歴書として、固有名詞やステイタスを与えておりましたが、彼女は〈特定の人物〉にあてはめるのではなく、〈1人〉であること、〈深い悲しみを持つ〉〈女〉であることをイメージしてくれました。そこに彼女が突き刺した〈細いグニャグニャになった1本の針金〉があって初めて、この役は生きた「女」になったわけです。

これはある意味、矛盾するようですが、映画にとっては、正しいアプローチでした。私がエンドロールにおいて、彼女の演じた女に名前があるにもに関わらず、「女」とクレジットしたことからもおわかりになるのではないかと思います。
〈「日本芸術センター映像グランプリ」でグランプリを受賞したお知らせを頂いた時、ひたすらひたすら嬉しく、また大きな翼を授けて頂いた様に思いました。きっともっと沢山の方に観ていただくことができる!と。感謝の気持ちでいっぱいでした。〉

これまたなんて美しい文章なんでしょう。〈ひらすらひたすら嬉しく〉、〈大きな翼を授けて〉の下りでは私の胸は熱くなりました。

実はグランプリが発表された時、私は彼女のようにそこまで現実的ではおりませんでした。正直なところ、まさかグランプリをとれると思っておりませんでしたし、やっと実感が湧いてきた時にも劇場公開するイメージは全く浮かびませんでした。その点、俳優さんは監督よりリアリストなのかもしれません。おそらく彼女のイメージのおかげで、『どてふう』はこうして劇場公開まで漕ぎつけたのです。

​私は、まず信じてくれたカイマミさんに感謝しなければなりません。

コメントの受け付けは終了しました。

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