主要キャスト4名の中で、ヒロインのカイマミさんが登場するのは最も遅く1分28秒。その登場シーンは印象的なものにしたかった。 土手を歩く男と女、カメラはその後ろ姿を捉えカットバックする。私は「二人が歩く」姿を後ろから捉えるショットが好きで、これは小津映画の影響なんだけど、新作の短編映画『I Forget』でも同じような画を撮っている。でも、そこはやはり同じカット割りにはしたくないので、自分なりに考えて少しでも既視感の無いよう工夫はしている。 カイマミ扮する「女」は、振り向いて初めて顔を見せる。ここだけの話、その時の演出は、私の中で 『プラトーン』のウィレム・デフォーだ。対するは、トム・ベレンジャーの「男」星能豊。私の中では、これは俳優さんたちには言ってないけど、確執のある二人がジャングルの中で鉢合わせする名シーンがあった。
とそこまで言っておいて、実際の画は全く似ても似つかないシーンなのであしからず。映画を作るうえで、少しでも「映画」に敬意を払う。そう、あくまで私の中の、「気持ち」の問題なのです。 コメントの受け付けは終了しました。
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